「伸びた台本を“真似る”のがリサーチではない。“それを好む人”を追いかけて、切り口を掛け合わせることがリサーチ。」
このガイドの目的
前回で「動画ではなく“人”を調べる」のが大事だと分かった。でも、いざやろうとすると——
- 「“リサーチしましょう”って言われても、具体的に何をクリックすればいい?」
- 「伸びてる台本を真似してるけど、なぜか自分のは伸びない」
- 「Amazonレビューを見ろって言うけど、何を見ればいいの?」
- 「AIに投げても、ありきたりな企画しか返ってこない」
- 「ネタが尽きる。同じジャンルで何本も作れない」
これ、全部リサーチの“手順”を知らないだけです。センスの問題ではありません。
このガイドを読むと、1つのジャンルから伸びる企画を何本も掘り出す具体手順(人気順→なぜ刺さる分解→高低レビュー両読み→外部横断→切り口の掛け合わせ→AIで企画化)が手に入ります。
用語ミニガイド
- TTP(=徹底的にパクる)
- 伸びている台本をそっくり真似ること。出発点にはなるが、TTPで伸びたのではなく、その裏に理由がある。真似だけで止めると薄くなります。
- 切り抜き
- 長い動画の一部を短く切り出した動画。その人の「どこが刺さっているか」が凝縮され、リサーチ材料として便利です。
- 切り口(=クロスアングル)
- 同じテーマを“どの角度から言うか”。例:引き寄せを「スピ」でなく「脳科学」で言う。掛け合わせるほど企画は無限に増えます。
- 属性(コメントの)
- どんな人が・どんなトーンでコメントしているか。「勉強になりました」なのか、ネガティブなのか、自分語りなのか。動画の“客層”が見えます。
1.リサーチ=「伸びた台本を真似ること」ではない
つまずき:真似しているのに伸びない
一番多い勘違いが、「伸びてる動画=良い台本。だから真似すれば伸びる」です。
「伸びている台本をただTTP(真似)して伸びただけ」ではありません。そもそも、なぜこの動画が良いのか・なぜ評価されているのかを一生懸命理解する——ここが本当のリサーチです。
動画そのものは、今やAIで作れるレベルのものも多い(引き寄せ系で月12万回・恋愛ハウツーで3万回という実例)。差がつくのは台本の作り方ではなく、その手前のリサーチの深さです。
2.人気順に並べ、「なぜ刺さるか」を分解する
つまずき:何からクリックすればいいか分からない
最初の一手は地味です。そのジャンルのキーワードで検索し、人気順(再生数順)に並べる。それだけ。
「ヒモ」で検索して人気順に並べる。切り抜きやコメントを見ると「真面目で優しい」「話が上手すぎてびっくり」といった声が集まっている。→ この層は“優しさ・話し方”に反応する、と分かる。
- 上位動画のコメントの属性を見る(勉強になった/ネガティブ/自分語り…客層が出る)。
- 「引き寄せの法則」なら、まず年数に関係なく伸びているものを俯瞰。「短時間で見る・聞く・流すだけ」「脳の覚醒」が伸びている、と傾向を掴む。
ここで「へぇ、この台本いいな」で止めない。“なぜ”良いのかを言語化するまで進みます。理由が言えて初めて、自分の動画に移植できます。
3.高評価だけでなく、“低評価・ネガレビュー”を読む
つまずき:良いところしか見ていない
これは多くの人が飛ばす、でも一番差がつくステップです。
高評価だけでなく、ネガティブ評価もきちんと見る。例:引き寄せ本を「未来予想・予言」として受け取った人はネガティブ、でも別の人はポジティブに使っている。同じ内容でも刺さる人/刺さらない人の境目が、この1冊のレビューから丸ごと学べます。
- 高評価=「何が“良し”とされているか」(訴求すべき点)。
- 低評価=「何が地雷か・どんな期待外れが起きるか」(避けるべき点/別切り口のヒント)。
Amazonで『引き寄せの法則』系は星4.3・レビュー177件、恋愛ハウツーの『ヒモから始める男性医学』系は133レビュー。レビュー数が多い=それだけ需要と反応がある証拠。高い部分だけでなく低い部分まで読むと、訴求と地雷が両方見えます。
4.YouTubeの外へ横断する(本・X・IG・note・Web)
つまずき:YouTubeの中しか見ていない
対象者は人間です。人間はYouTubeだけを見て一日を過ごしません。本を読み、X・Instagramを眺め、noteやWebも見ている。だからリサーチもYouTubeの外へ出ます。
「引き寄せの法則」で伸びている人(例:ネトジュン氏)は、実は本も出している。そこまで辿ると「この切り口が本になるほど受けている」と分かる。さらに追うと、脳科学(右脳)・潜在意識・量子力学・「周波数は背骨で決まる」…とスピの外側の言葉に繋がっていく。
- Amazonレビュー(高評価+低評価)/著者は何者かを追う
- X・Instagram:その発信者と、フォロワーがどんな投稿に“いいね”しているか
- note・Web検索・ディープリサーチ:「マッチングアプリ 攻略」「引き寄せ 周波数」等で、関連キーワードと解釈が芋づる式に出る
「そういう世界を信じている人がいる」という事実を掴むのが目的です。自分が好きか嫌いかは脇に置く。信じている人がいる=そこに市場がある、という事実だけを見ます。
5.「自分の好き嫌い」は置く ― 信じてる人がいる“事実”を掴む
つまずき:自分のフィルターで市場を切り捨てる
リサーチが浅くなる最大の原因が、自分のフィルター(好き・嫌い・信じる・信じない)で見てしまうことです。
「自分がどう思うか」は別に置いておく。「それを頼りにして良かった、と言っている人がいる」という事実だけを見る。スピ/占い/引き寄せを自分が信じる必要はありません。“信じている人がいる市場”を理解できるか、それだけです。
これは「嘘を勧める」話ではありません。その世界の言葉・価値観を正しく理解して届けるという話です。理解せずに作るから、うさんくさく薄くなります。
6.切り口を掛け合わせて、企画を無限に増やす(クロスアングル)
つまずき:ネタが尽きる
「ネタが尽きる」人は、1テーマを1角度でしか見ていないだけです。切り口(角度)を掛け合わせると、企画は無限に湧きます。
引き寄せ×脳科学、引き寄せ×右脳、引き寄せ×量子力学、引き寄せ×「周波数は背骨で決まる」→ さらに「他の体の部位でエネルギー・周波数に関わる所は?」とAIに聞く → 丹田が出てくる。マッチング側も、マッチング×「人を引きつける話し方」、「モテる男の“逆”=ヒモ」…と横に伸ばせる。
- 1テーマ × 別の学問(脳科学/心理学/量子力学…)
- 1テーマ × 体の部位・別概念(背骨→周波数、丹田→願望を行動に変える…)
- “逆”を調べる(モテる男の逆=ヒモ/説明が出ている人の逆を調べる)
掛け合わせのタネは、ステップ4の“外部横断”で拾ったキーワードです。拾った言葉をメモにまとめ、AIに投げて「この観点で関連する情報は?」と広げると、企画リストが一気に増えます。
7.リサーチの深さが、AIの精度を決める
つまずき:AIに投げてもありきたり
「AIに投げてもありきたり」——その原因は、AIではなくあなたのリサーチの浅さです。
自分がいろんな興味を持って、いろんな質問の仕方をして初めて、「決断と行動に変える部位=丹田」のような答えに辿り着く。AI任せでは、そこに行き着かない。リサーチで“問いのタネ”を持っている人だけが、AIから深い答えを引き出せます。
リサーチ力(何を掘るか)は人間の仕事。つなげる力(拾った情報を企画に結ぶ)はAIが助けてくれる。拾った観点をメモにまとめてAIに読ませると、AIが「その深さなら、こういう情報もある」と学習して返します。
8.これは全ジャンル共通の方法論
つまずき:「うちのジャンルは特別」と思い込む
最後に。この手順は、スピや恋愛だけの話ではありません。
「スピ系だから」ではなく、全部の分野で同じ。雑学でも、歴史でも、スカット系でも一緒。理由はシンプルで、リサーチの対象は“人間”だから。人間はどのジャンルでも、YouTubeだけを見て生きてはいません。
- 易しい可視ジャンル(ヒモ/マッチング=ハウツー)も、抽象で難しいジャンル(引き寄せ/スピ)も、同じ手順で攻略できる。
- むしろハウツー系は「説明が出ている人の逆を調べればいい」ぶん、スピより見えやすい領域です。
実践ワーク:リサーチ実演 7ステップ
つまずき:手が動かない
1つのジャンル(またはチャンネル)を決めて、上から順に手を動かしてください。
- ジャンルのキーワードで検索し、人気順(再生数順)に並べる
- 上位動画のコメントの“属性”を見る(客層・トーンを掴む)
- 「なぜこの動画が良いのか」を1〜2行で言語化する
- Amazon等でレビューを“高評価+低評価”の両方読む
- 外部横断(本の著者→X→Instagram→note→Web検索)でキーワードを拾う
- 拾った言葉で“切り口の掛け合わせ”を3案作る(別学問・別部位・“逆”)
- 拾ったメモをAIに読ませ、「この観点で企画を」と指示して台本化する
ステップ3:「“話が上手すぎてびっくり”が集まる=会話テクニックへの需要が強い」
ステップ4:『ヒモから始める男性医学』系のレビュー(高=ロジックで語ると評価/低=あざとさ拒否)を両読み
ステップ6:マッチング×「人を引きつける話し方」/「モテる男の逆=ヒモ」/年代別(30代・40代)の3切り口
ステップ7:「30代・マッチングアプリで、会話で引きつける切り口の台本を」とAIへ
ステップ3:「“目からうろこ”が集まる=当たり前を裏返す切り口が刺さる」
ステップ4:引き寄せ本(星4.3・177件)の高評価=救われた声/低評価=「未来予想として重い」を両読み
ステップ6:引き寄せ×脳科学/×量子力学/×「周波数は背骨→丹田」の3切り口
ステップ7:「潜在意識×丹田で“願望を行動に変える”切り口の台本を」とAIへ
拾ったキーワード・表現・好まれているものを1つのメモに蓄積 → AIに読ませる。「この観点・この深さでやる」とAIが学習し、次から関連情報を先回りで出してくれます。
まとめ ― 今日からの一歩
- リサーチは“台本の真似(TTP)”ではなく、“なぜ刺さるか”の理解。
- 人気順に並べ、コメントの属性と“なぜ良いか”を分解する。
- Amazon等の高評価+低評価を両方読む(訴求と地雷が両方見える)。
- YouTubeの外(本・X・IG・note・Web)へ横断し、キーワードを拾う。
- 拾った言葉で切り口を掛け合わせ、メモをAIに渡して企画化する。
「伸びた台本を“真似る”のがリサーチではない。“それを好む人”を追いかけて、切り口を掛け合わせることがリサーチ。」
今日の5分
あなたのジャンルで動画を1本開き、コメントを20件と、関連する本のAmazonレビューを高・低5件ずつ読む。拾った言葉を3つメモする。——それが、切り口を掛け合わせる最初のタネになります。
成果には個人差がありますが、この手順を回すほど、1ジャンルから作れる企画の本数は増えていきます。まずは1ジャンル、人気順→レビュー両読みから始めましょう。