YNPパートナー 基礎教材 ②(実演編)

「人気順 → 高低レビュー → 外部横断 → 切り口の掛け合わせ」

1ジャンルから企画を何本も掘り出す ― 視聴者リサーチ 実演ガイド

対象:原則編を読んだ初心者 読了:約12分 出典:リサーチ実演2本(恋愛ハウツー/スピ)
▼ このガイドを貫く一文

「伸びた台本を“真似る”のがリサーチではない。“それを好む人”を追いかけて、切り口を掛け合わせることがリサーチ。」


このガイドの目的

前回で「動画ではなく“人”を調べる」のが大事だと分かった。でも、いざやろうとすると——

これ、全部リサーチの“手順”を知らないだけです。センスの問題ではありません。

このガイドを読むと、1つのジャンルから伸びる企画を何本も掘り出す具体手順(人気順→なぜ刺さる分解→高低レビュー両読み→外部横断→切り口の掛け合わせ→AIで企画化)が手に入ります。

用語ミニガイド

TTP(=徹底的にパクる)
伸びている台本をそっくり真似ること。出発点にはなるが、TTPで伸びたのではなく、その裏に理由がある。真似だけで止めると薄くなります。
切り抜き
長い動画の一部を短く切り出した動画。その人の「どこが刺さっているか」が凝縮され、リサーチ材料として便利です。
切り口(=クロスアングル)
同じテーマを“どの角度から言うか”。例:引き寄せを「スピ」でなく「脳科学」で言う。掛け合わせるほど企画は無限に増えます。
属性(コメントの)
どんな人が・どんなトーンでコメントしているか。「勉強になりました」なのか、ネガティブなのか、自分語りなのか。動画の“客層”が見えます。

1.リサーチ=「伸びた台本を真似ること」ではない

つまずき:真似しているのに伸びない

一番多い勘違いが、「伸びてる動画=良い台本。だから真似すれば伸びる」です。

TTP思考(表層)とリサーチ思考(深層)の左右対比
図1:台本を“真似る”TTP思考と、“なぜ刺さるか”を掘るリサーチ思考
▼ 判断基準

「伸びている台本をただTTP(真似)して伸びただけ」ではありません。そもそも、なぜこの動画が良いのか・なぜ評価されているのかを一生懸命理解する——ここが本当のリサーチです。

❌ 表層のリサーチ「この台本が伸びてる → コピーして少し変える → 投稿」
✅ 深層のリサーチ「この動画の“何が”良いのか → なぜこの層に刺さるのか → その人は普段どこを見てる?」
▼ ポイント

動画そのものは、今やAIで作れるレベルのものも多い(引き寄せ系で月12万回・恋愛ハウツーで3万回という実例)。差がつくのは台本の作り方ではなく、その手前のリサーチの深さです。

2.人気順に並べ、「なぜ刺さるか」を分解する

つまずき:何からクリックすればいいか分からない

最初の一手は地味です。そのジャンルのキーワードで検索し、人気順(再生数順)に並べる。それだけ。

▼ よくあるケース(ヒモ/マッチングの回)

「ヒモ」で検索して人気順に並べる。切り抜きやコメントを見ると「真面目で優しい」「話が上手すぎてびっくり」といった声が集まっている。→ この層は“優しさ・話し方”に反応する、と分かる。

▼ 注意

ここで「へぇ、この台本いいな」で止めない。“なぜ”良いのかを言語化するまで進みます。理由が言えて初めて、自分の動画に移植できます。

3.高評価だけでなく、“低評価・ネガレビュー”を読む

つまずき:良いところしか見ていない

これは多くの人が飛ばす、でも一番差がつくステップです。

▼ 判断基準(両方読むと分かること)

高評価だけでなく、ネガティブ評価もきちんと見る。例:引き寄せ本を「未来予想・予言」として受け取った人はネガティブ、でも別の人はポジティブに使っている。同じ内容でも刺さる人/刺さらない人の境目が、この1冊のレビューから丸ごと学べます。

▼ よくあるケース

Amazonで『引き寄せの法則』系は星4.3・レビュー177件、恋愛ハウツーの『ヒモから始める男性医学』系は133レビュー。レビュー数が多い=それだけ需要と反応がある証拠。高い部分だけでなく低い部分まで読むと、訴求と地雷が両方見えます。

4.YouTubeの外へ横断する(本・X・IG・note・Web)

つまずき:YouTubeの中しか見ていない

対象者は人間です。人間はYouTubeだけを見て一日を過ごしません。本を読み、X・Instagramを眺め、noteやWebも見ている。だからリサーチもYouTubeの外へ出ます

YouTubeの外への6つの横断先を示す放射状マインドマップ
図2:YouTubeの外へ ― 6つの横断先
▼ 比較ケース(引き寄せの回)

「引き寄せの法則」で伸びている人(例:ネトジュン氏)は、実は本も出している。そこまで辿ると「この切り口が本になるほど受けている」と分かる。さらに追うと、脳科学(右脳)・潜在意識・量子力学・「周波数は背骨で決まる」…とスピの外側の言葉に繋がっていく。

▼ ポイント

「そういう世界を信じている人がいる」という事実を掴むのが目的です。自分が好きか嫌いかは脇に置く。信じている人がいる=そこに市場がある、という事実だけを見ます。

5.「自分の好き嫌い」は置く ― 信じてる人がいる“事実”を掴む

つまずき:自分のフィルターで市場を切り捨てる

リサーチが浅くなる最大の原因が、自分のフィルター(好き・嫌い・信じる・信じない)で見てしまうことです。

▼ 判断基準

「自分がどう思うか」は別に置いておく。「それを頼りにして良かった、と言っている人がいる」という事実だけを見る。スピ/占い/引き寄せを自分が信じる必要はありません。“信じている人がいる市場”を理解できるか、それだけです。

❌ 自分軸で切る「引き寄せなんて非科学的」→ 市場が見えなくなる → 刺さる企画が作れない
✅ 事実軸で見る「これで救われたと言う人が177人レビューしている」→ 市場と客心理が見える → 刺さる企画が作れる
▼ 注意

これは「嘘を勧める」話ではありません。その世界の言葉・価値観を正しく理解して届けるという話です。理解せずに作るから、うさんくさく薄くなります。

6.切り口を掛け合わせて、企画を無限に増やす(クロスアングル)

つまずき:ネタが尽きる

「ネタが尽きる」人は、1テーマを1角度でしか見ていないだけです。切り口(角度)を掛け合わせると、企画は無限に湧きます。

1テーマ×別角度の掛け合わせ4例のカードグリッド
図3:切り口の掛け合わせ ― 1テーマ×別角度で企画を無限化
▼ よくあるケース(両ジャンルの実演)

引き寄せ×脳科学、引き寄せ×右脳、引き寄せ×量子力学、引き寄せ×「周波数は背骨で決まる」→ さらに「他の体の部位でエネルギー・周波数に関わる所は?」とAIに聞く → 丹田が出てくる。マッチング側も、マッチング×「人を引きつける話し方」、「モテる男の“逆”=ヒモ」…と横に伸ばせる。

▼ ポイント

掛け合わせのタネは、ステップ4の“外部横断”で拾ったキーワードです。拾った言葉をメモにまとめ、AIに投げて「この観点で関連する情報は?」と広げると、企画リストが一気に増えます。

7.リサーチの深さが、AIの精度を決める

つまずき:AIに投げてもありきたり

「AIに投げてもありきたり」——その原因は、AIではなくあなたのリサーチの浅さです。

浅いリサーチ→狭い指示、深いリサーチ→広い指示の対比
図4:リサーチの深さが、AIへの指示(プロンプト)の広さを決める
▼ 判断基準

自分がいろんな興味を持って、いろんな質問の仕方をして初めて、「決断と行動に変える部位=丹田」のような答えに辿り着く。AI任せでは、そこに行き着かない。リサーチで“問いのタネ”を持っている人だけが、AIから深い答えを引き出せます。

❌ 浅いリサーチ → 狭い指示「引き寄せの動画作って」→ ありきたりな台本
✅ 深いリサーチ → 広い指示「潜在意識×周波数×丹田の観点で、願望を行動に変える切り口の台本を」→ 独自の企画
▼ ポイント

リサーチ力(何を掘るか)は人間の仕事。つなげる力(拾った情報を企画に結ぶ)はAIが助けてくれる。拾った観点をメモにまとめてAIに読ませると、AIが「その深さなら、こういう情報もある」と学習して返します。

8.これは全ジャンル共通の方法論

つまずき:「うちのジャンルは特別」と思い込む

最後に。この手順は、スピや恋愛だけの話ではありません。

▼ 判断基準

「スピ系だから」ではなく、全部の分野で同じ。雑学でも、歴史でも、スカット系でも一緒。理由はシンプルで、リサーチの対象は“人間”だから。人間はどのジャンルでも、YouTubeだけを見て生きてはいません。


実践ワーク:リサーチ実演 7ステップ

つまずき:手が動かない

1つのジャンル(またはチャンネル)を決めて、上から順に手を動かしてください。

リサーチ実演7ステップの縦型フローチャート
図5:リサーチ実演 7ステップ ― 真似でなく“なぜ刺さるか”を掘る
  1. ジャンルのキーワードで検索し、人気順(再生数順)に並べる
  2. 上位動画のコメントの“属性”を見る(客層・トーンを掴む)
  3. 「なぜこの動画が良いのか」を1〜2行で言語化する
  4. Amazon等でレビューを“高評価+低評価”の両方読む
  5. 外部横断(本の著者→X→Instagram→note→Web検索)でキーワードを拾う
  6. 拾った言葉で“切り口の掛け合わせ”を3案作る(別学問・別部位・“逆”)
  7. 拾ったメモをAIに読ませ、「この観点で企画を」と指示して台本化する
▼ 解答例(ヒモ/マッチングの場合)

ステップ3:「“話が上手すぎてびっくり”が集まる=会話テクニックへの需要が強い」
ステップ4:『ヒモから始める男性医学』系のレビュー(高=ロジックで語ると評価/低=あざとさ拒否)を両読み
ステップ6:マッチング×「人を引きつける話し方」/「モテる男の逆=ヒモ」/年代別(30代・40代)の3切り口
ステップ7:「30代・マッチングアプリで、会話で引きつける切り口の台本を」とAIへ

▼ 解答例(引き寄せ/スピの場合)

ステップ3:「“目からうろこ”が集まる=当たり前を裏返す切り口が刺さる」
ステップ4:引き寄せ本(星4.3・177件)の高評価=救われた声/低評価=「未来予想として重い」を両読み
ステップ6:引き寄せ×脳科学/×量子力学/×「周波数は背骨→丹田」の3切り口
ステップ7:「潜在意識×丹田で“願望を行動に変える”切り口の台本を」とAIへ

▼ 時短のコツ

拾ったキーワード・表現・好まれているものを1つのメモに蓄積 → AIに読ませる。「この観点・この深さでやる」とAIが学習し、次から関連情報を先回りで出してくれます。


まとめ ― 今日からの一歩

  1. リサーチは“台本の真似(TTP)”ではなく、“なぜ刺さるか”の理解
  2. 人気順に並べ、コメントの属性と“なぜ良いか”を分解する。
  3. Amazon等の高評価+低評価を両方読む(訴求と地雷が両方見える)。
  4. YouTubeの外(本・X・IG・note・Web)へ横断し、キーワードを拾う。
  5. 拾った言葉で切り口を掛け合わせ、メモをAIに渡して企画化する。
▼ 貫く一文(もう一度)

「伸びた台本を“真似る”のがリサーチではない。“それを好む人”を追いかけて、切り口を掛け合わせることがリサーチ。」

今日の5分

あなたのジャンルで動画を1本開き、コメントを20件と、関連する本のAmazonレビューを高・低5件ずつ読む。拾った言葉を3つメモする。——それが、切り口を掛け合わせる最初のタネになります。

成果には個人差がありますが、この手順を回すほど、1ジャンルから作れる企画の本数は増えていきます。まずは1ジャンル、人気順→レビュー両読みから始めましょう。